まさか所帯持ちとは…
不審具合をkwsk
不審者に遭遇したのは高校生の夏休み
うちは両親とも共働きなので、部活が昼前に終わるとチャリをこいでジャスコまで行き
惣菜売り場で昼のおかずを買うのが日課だった
田舎なのでジャスコはめちゃくちゃ広いんだけど、これと言った駐輪場が無く
あっても申し訳程度なのでどこか他の空いてるスペースに留めるしかない
田舎なので中高生の娯楽=ジャスコであり、
夏休みにジャスコでたむろするような人たちと
一緒な場所にチャリを留めるのはおっかない
そのためいつも誰も留めていないスペースを探して留めるようにしてたんだけど
その日はいつも使ってる駐輪スペースに先客がいた
仕方が無いので入り口からは離れそうだがジャスコの周りを巡回し
誰も留めていないスペースを探すことにした
すると非常階段とボイラー?
みたいな大きな障害物が密集し死角になっているスペースを発見
チャリも一台くらい余裕で留められそうなので、そこに向かってチャリを進めると
物陰に怪しげなおっさんがいた
おっさんというよりオネェさんだった
夏だったためかピチピチの白い激ミニワンピースを着て、
片手でスカートを胸の高さまでたくし上げ
もう片方の手で股間を揉んでいた
夏らしく鮮やかな水色の紐パンを履いていた
なんとそっちか
オネェはこちらに気付くとさっと乱れた服を正し
「何もしてませんけど?」という顔を作った
引き返そうと思ったが、チャリンコは物陰に向かって進み続けているし
慌てて引き返すのも不自然だなぁと思いそのまま直進しチャリから降りた
もしオネェが人目を避けてこんなことをしてたとすると
うわっ変態だと言わんばかりに引き返してしまえばオネェも傷ついてしまう
大丈夫、見ていませんという雰囲気を出しつつ、
足早にバッグを持ってジャスコ店内へ向かおうとすると
後ろから「カギ、いいの?」と声がかかった
焦っていたせいかカギを抜くのを忘れていた
そんな指摘をしたくれたことで警戒心は緩み、
「あっ忘れてました、ありがとうございます」と
カギを抜きながらオネェに向かい言うと、オネェもニコッと微笑んだ
芸能人のような、感じのいい人に見える
どうもどうもと会釈してジャスコに向かおうと思ったが、
オネェは「ちょっと」とこちらを呼び止めた
何ですかと振り返った
「あたし、ファッションに自信がないの…」とオネェがしゅんとした
急な話題が来たので、はぁ…と相槌を打つと、
オネェはワンピースの裾をつまみながら
「これってちょっと、変じゃないかしら」と不安そうに言った
それは女装していることに関してなのか、その服装に関してなのか
解釈に迷って答えに詰まったが、間違えるのも悪いので素直にどっちですかと訪ねた
オネェも笑顔で「んもっ!ファッションよぅ!」と空中を右手で叩くような動作をした
話していて気持ちのいい人だなぁ
その人のスタイルはどんな感じ?
>>22
どちらかといえば筋骨隆々な体系でした
肩にかけている部活道具の詰まって重たいバッグをチャリに置き
長話スタイルに入った
オネェ曰く、ファッションが好きなんだが、
人から見てこのファッションがどうなるか気になるらしい
その時のオネェのファッションを覚えている限りおさらいしてみると
白地に白のリボンとレースのついた帽子
白の激ミニワンピース
水色のフリルがついた紐パン
ヒールの高い白のサンダル
人様のファッションチェックが出来るほどの自信はなかったが
こんな気持ちのいい人を見ていると協力したくなってくる
上から下まで吟味するように眺めるとオネェは恥ずかしそうに身体をくねらせ
「どこが変…?」とこちらの意見を促した
たいした意見じゃないんですがと前置きしてから
全身白ではアレなので、指し色をいれたら可愛いと思いますよ、水色とか
と言ってから後悔した
そういえばこの人のパンツ水色だった
あっと思いオネェの顔を見るとやはりあっという顔をしていた
もしやオネェがパンツについて触れるかもしれないと思い一瞬黙ったが
どうやら触れて欲しくないようなのですかさず
あ、ワンピースとサンダルの毛色が違うかなぁと話をそらすため付け足した
オネェも「あ、ああなるほどねぇ、ちょっとカンジが違うかしらね」と
サンダルを履いた足を膝から折ったり伸ばしたりしてみせた
この人とは意見が合いそうだなぁ
水色パンツ=見えないオシャレって素敵ですねと言ってやればよかったのに
さてひと段落と思いきや、オネェが指し色の話題を持ち出した
「あたしピンクとかオレンジが好きなんだけど、この時期には合わないかしらねぇ」
と言うので、オレンジだったら秋ですかねぇと返事をした
黒のドットとかいいと思いますねぇと話がこころなしか弾みだしてきた頃
オネェは「やっぱり水色かしらねぇ」と呟いた
この短時間で脳内では「水色=禁句」になっていたので、おっ?と少し会話がやんだ
「あたしねぇ、ブラ水色なのよ」とオネェは突然胸をさすった
よく見ると白の薄いワンピースの下に水色のバンドが透けている
正直にちょっと透けてますよねと言うと、「やんっ」とオネェは両手で胸を押さえた
ここからオネェはおそらくセットであろうパンツの話に持って行くのかと思ったが
下着と水着の違いについて問いかけてきた
最近の下着は水着並みのデザインだと言葉を変えてお互いが言い合い
意見合うなぁと思ったところでオネェがまた自分の下着ほうに話題を移した
この人がご近所さんか…
いい友情が築けそうだね
不審者…×
変態紳士…○
女装姿でJKと下着の話をすることに興奮を覚える変態、
という見方も
「あたしの下着もねぇ、一見水着みたいなカンジなのよ」と
太ももからさすり上げるようにちょっとだけスカートの裾を上にずらした
さっき見ましたと言おうかどうかかなり迷ったが、この人に関しては
建前より本音を言ったほうが話が弾む傾向にある気がする
「さっき見た」に近いようなことを言うと、「ああ、んん、もう、それ言っちゃう?」と
オネェは身体をくねらせ照れくさそうにまた空中を叩くような動作をした
こちらもつられて笑うと、オネェの手が何故か股間に伸び始めた
Σ??
ヤバそうな予感…
うわやだこわい
なんだこの妙なwktk
揉むというよりはさするような感じだったが、確実に股間を触っている
演劇チックになまめかしく手を水色パンツに押し当てながら上下させるので
思わずそちらに視線が釘付けになった
「あたし、こうやってね…時々…」と何かを語り始めたので聞く態勢に入ったのだが
オネェはそれ以上語らず股間をさすり続ける
手持ち無沙汰になり何か言おうかと思ったが、
オネェの口からなまめかしい吐息が漏れ始め
ちょっと帰ろうかと思い始めた
股間ばかりを見てもいられないので、オネェの顔を見ると
目を細めて地面のほうを見つめていた
「あ…ほら…」とオネェが呟いた声で我に返り、
オネェが見るのを促した先である股間を見ると
こころなしか水色のパンツが盛り上がっていた
ここで、もう何やってるんですかと誘い笑いで言うべきか、
それとも他にどうにかするべきか決めかね
これはちょっとどうしたらいいんだろうと思っていると
オネェがもうちょっとこっちへ寄れと言う
いやぁ、ここで大丈夫ですよと思わず言った
> いやぁ、ここで大丈夫ですよと思わず言った
なにが大丈夫なのかwww
オネェは終始絵になる表情だった
なまめかしいを絵に描いたような、切なそうなといえば良いのか
とにかくテレビで見るような魅力的な表情をしていた
そこで星新一の魅力的な表情を作るスイッチの話を突然思い出し
棒立ちになったままそのことについて考えをめぐらしていると
オネェがこちらの興味が他へ移ったのを感じてか「ねぇ…ねぇ」と声をかけてくる
オネェのほうに向き直ると、オネェはニヤニヤと笑い始めた
そろそろやばくないか?ww
最初はほのぼのしてたのにwww
オネェが突然腕を伸ばしてこちらの手首を掴み、自分の股間へと押し付けた
人の手の甲をパンツに押し当て、上下にこすっている
あまりの驚きで星新一のことなど吹っ飛び、ひ、ひえぇ~と声が漏れ続けた
オネェはもう片方の手をまたこちらに伸ばしてきたが
オネェに掴まれているほうの腕をひねって身体を掴まれるのはかわすと
それ以上は掴みにこなかった
こちらが情けない顔をしているのを見て
オネェがちょっと笑顔になったのかはわからないが
顎を引いて上目遣いにこちらを見つめ「しゃぶってみる…?」と訊ねてきた
ギャアアアア
こわいよ...
不審者…×
変態紳士…×
犯罪者…○
>>1
なぜ逃げないwww
そう訊ねてきたはずなのだが、田舎は田舎でも
「しゃぶる」という言い方が広く使われている田舎ではなかったので
オネェがどういう行為を提案しているのか一瞬理解に困った
そして頭が勝手に薬のほうのシャブではないかと結論を出し
結果オネェが「シャブ打ってみる?」と言っているものだと勘違いしてしまった
学校で何度も何度も薬物は怖いというビデオを見せられ続けていたので
瞬間驚くほどの力が出て、
手首をつかまれ股間に当てさせられている手を振りほどいた
い、いいです!それは結構です!と思った以上に大きな声が出て
オネェはあっけにとられた表情をしていた
そのあと母にセールスの電話を断るとき「結構です」というと
「それはいいですね」と肯定の意味に取られてしまうかもしれないから
はっきり断りなさいと言われていたことを思い出し、「したくないです!」と言いなおした
サドルに置いていたバッグを掴み駐車場のほうへ走って行き
それ以上走っていると何事かと思われそうなので早歩きに変更した
そして惣菜売り場へ行き、お昼のおかずを購入した
レジ袋を持って自転車の近くへ行ったところでオネェのことを思い出し
辺りを見回したがオネェはいなかった
チャリには何もしていないだろうとは思ったが、一応チャリも確認した
何事も無かったので、そのまま跨って帰った
いや、警察呼べよww
もしくはジャスコの警備員
夏休み中の登校日、ジャスコの惣菜売り場でバイトをしている友人に
おかしな女装家の人がいたと詳細をぼかして話してみた
すると女装と言う単語を聞いた瞬間友人が「それ見た!!!」と叫んだ
友人がバイト帰りに陰で女装している謎の人物を目撃したらしい
見たの!?と聞かれたのでちょっと見えた…と答えた
その頃学校ではかなり不審者に対して警戒をしており
たまに不審者目撃情報の載ったプリントが配られていた
「普通に声をかけただけで通報」レベルのものはさすがにないが
通りすがりに胸を触られたり敷地に侵入し風呂を覗かれたりはされているようだ
犯人の特徴の欄に「女装」と書いてある情報はないかと探したが、それは無かった
警察が一度他に何かないか学校に調査に来たらしいが、結局言わずじまいだった
>>1 は女?
学校は共学?
今日の晩ごはんは何食べた?
>>77
はい
はい
刺身
なんとなくだがオネェはもう現れないような気がした
ファッションの話をしているときの感じのいいオネェを見ていると
間違った方向にメンタルの強い人だともあまり思えない
実際その後も部活帰りや学校帰りに何度もジャスコの惣菜売り場へ向かったが
チャリをどこに置こうとオネェはいなかった
そしてオネェのことを忘れてしばらく経ったころ、近所の畑が整地され
家が建ち始めた
田舎はとにかく情報伝達が早く、しょうもない話も老人の間ですぐに広まる
じいちゃんが「新しく建っている家は若い家族が引っ越してくるらしい」と言っていた
そりゃ新しく家を建てるんだから若い家族くらいしかないだろうと思った程度で
まさかその大黒柱があのオネェだとはそのとき予想もしていない
学校とジャスコの行きかえりに気まぐれにいつもと違う道を通ると
例の家がだんだん完成へと近づいているのが見えた
そしてすっかり家のこともどうでもよくなり、また普通に暮らしていたところ
ある日犬の散歩帰りのばーちゃんがすごい勢いで部屋にやってきた
「あの新しい家の旦那さん!オカ●やぞ!」と大スクープのように言うので
どうでもいいような相槌を打ちながら、ん…オ●マ…?とどこかでひっかかった
なぜ●カマと分かったのか訊ねると、
まだ引っ越してきてはいないが家の様子を見に来た旦那さん(オネェ)が
河口沿いの塀に身体をくねらせながら預け、夕日を一人見つめていたらしい
その身体のくねりっぷりがどうみても普通の男のものではなかったらしい
その話すらまた忘れた頃、港町のため近くにある灯台に行き
夕飯用の魚を釣っていた(釣り宣言ではない)
小さいフグが一匹釣れただけに終わり、日も暮れかけてきたので
防波堤を歩いて帰路に着こうとしていたところ
くねっと塀にもたれかかり夕日を眺める人影がいる
ドキッと心臓が止まり途端に汗が出てきた
輪郭がだんだん見え始めてくると、向こうもこちらに気付いてか
くねっとした身体が急にしゃきっとなった
顔を見てみると、かなりの男前だったがこころなしかオネェに似ている
そういえばオネェも普通にしていれば男前そうな顔だった
こちらが顔を見つめていたせいでオネェもこちらを見、目が合う
あの時かけていなかったメガネをし、
髪型も違っていたせいかオネェはこちらに気付いていないようだ
こちらから顔をガン見しておいて何もせずに通り過ぎるのは田舎人として無礼なので
声を出さずに会釈してその場を通り過ぎようとした
オネェの真横に差し掛かった辺りで、「こんばんは」と声をかけられた
かなり聞き覚えのある声だった
これは確実にオネェだった
返事をすると声を出してしまうため、再び何度か繰り返し会釈をして
竿を担いだまま足早に家へと帰った
その後噂で聞こえてきたが、オネェには今幼稚園生の女の子がいるらしい
するとあの女装をしていたときには、既に娘がいた
少なくとも奥さんとは結婚していたことになる
世の中分かんないもんだなぁ
と、思いました
眠たいので最後駆け足になっちゃったけど、おしまい
おわりかい!
その先の展開が気になるんだが
北海道ではありません
種類は分からないけどフグはどこでも釣れるもんだと思ってた
引っ越してきた一家とは特に交流も無く、
オネェにあのときの人物だと気付かれることも無く今に至ります
聞いた限りお年寄りの間で特に悪い噂も無く、すっかり馴染んでるようです
遅いのでもう寝ます、おやすみなさい
なんか面白い文章で好きなキャラだわ
時々思い出したこと書いてほしい
オネェがおっかなかった
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